無心で投げたボールはなぜ成功するのか!?

 投球動作の全過程にわたって意識的に力を込めて投げると、投球動作はスムーズな動きが失われる。投球開始したダウンスイングからバックスイングそしてフォワードスイングのリリースの一瞬では、意識した運動速度では追いつかない!?リラックスした状態に腕を保たなければならない。運動を意識して力を入れれば、運動のスピードも上昇すると考えるのは直感的な反応です!?人の運動は意識がついていくよりも速く実行されるのです。
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 脳でイメージされ計画された運動の設計図は、直接筋肉に伝達され、運動として実行されます。その間、人の意識はその成り行きのすべてをキャッチできるわけではないのです。部分的に形でしか運動の実行のプロセスは意識に上ってこないのです。そして、人の意識がそのプロセスに介入できる程度も制限されています。リリースの一瞬は、意識の外で遂行され、意識的にそれをコントロールしようとすると、スピードが鈍り、正確性も損なわれるのです!?
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 投球のポイントとして言及されているリラックス、腕振りのストップ、リストの返し、ボール引き上げは形として表現されていますが、それを意識した状態で実行すると、体のバランスとリズム、リリースの一瞬のタイミングを損なうのです。リラックスして無心でやればいいわけだと、結論は簡単なのです!?ところが、リラックスしよう!?無心でいよう!?という気持ちは、逆に意識過剰に陥って、その結果、スムーズな運動の実行の妨げになるのです。言うは易しで、行うは難しなのです。
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 無心になる方法として、イチ、ニ、サンと声を出して投球動作をする工夫が提案されています。声を出すことに注意を向けることで、雑念を抑えるという方法です。投球前に投球のイメージをする。イメージしたら、イメージという鏡の前でボデイリハーサルをする!?
 ペタンクをやるには目的意識が存在しています。自分のやっていることそれ自体が面白いから、その楽しみを味わうことが目的であったり、練習して大会で優勝したい、他人に優越した感情を味わいたいという目的もあります。ペタンクを楽しむ、より上手くなりたいという目的意識は課題指向的であり、自分の大会での成績を高めたいと自分をどうするかが目的となっているのを自己指向的であると言われます。
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 どちらの目的意識もペタンクの上達には必要なのです。目的意識が漠然としたペタンカーは進歩しないのですが、自己指向の意識ばかりが高すぎると、自分の実力の不十分さの間の落差が大きいと、努力を放棄してしまうことがあります。やるのは簡単なのですが、ペタンクの投球における高い技術を必要とするスポーツでの望ましい目的意識は、自己指向ではなく課題指向のようです。
 他人との比較ではなく、ボールを投げる技術の進歩に喜びを感じたり、ブラボーな投球技術の熟達に満足を感ずるという目的意識をもった人のほうが、ペタンクの上達も早いし、ペタンクとの息の長いつき合いができるようです!?